生活習慣病の治療

生活習慣病の発見、治療

当院では、高血圧、糖尿病、高脂血症(コレステロール、中性脂肪)、高尿酸血症、骨粗しょう症などの生活習慣病の発見、管理に力を入れております。健診などで指摘を受けた方、数値が気になる方、医療機関を最近受診していない方など、当院でサポートさせていただきます。

生活習慣病は、一つ一つは軽症でも、いくつもの疾患が重なることが少なくありません。そして重なることによって、各症状がひどくなったり、心臓病や脳卒中などの重大な疾患に結びついたりする危険性も高まることが言われております。

そうした事態を招かないように、生活習慣を改善するための対策を講じていきましょう。 基本的には、どの病気であっても、生活習慣の改善、つまり食事療法と運動療法が中心であることは共通しています。必要と判断された場合には、薬物療法も併用します。ご心配な方は、早めにご相談ください。


糖尿病

糖尿病とは、体を動かすエネルギー源であるブドウ糖を細胞が取り込めなくなって、血液中に溢れてしまう病気です。 健康な人なら、インスリンというホルモンがしっかり働いて、血液中のブドウ糖を細胞に送り込んでエネルギー源にしたり、あるいは脂肪やグリコーゲンという物質に変えて蓄えたりします。このインスリンが足りなくなったり、足りていてもうまく細胞に作用しなくなったりした状態となります。

血糖値を正常に保つ上で重要になるのが、継続的なコントロールです。医療スタッフと相談し、まずは食事療法と運動療法を行います。これだけで正常値になる患者様もおられます。糖尿病が進行したケースだったり、食事・運動療法だけでは血糖値がうまく下がらなかったりしたような場合には、内服薬物療法やインスリン療法を行うこともございます。


高血圧

高血圧とは、血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態です。 高血圧は日本人にはとても多い病気で、40~74歳の人のうち男性は約6割、女性は約4割が高血圧と言われます。

高血圧は放っておくと、血管にストレスがかかり、動脈硬化が生じて心不全や狭心症、心筋梗塞といった心臓血管系の病気を招いたり、脳出血、脳梗塞の原因になったりします。

まず行うべきは、適正な体重にし、適度な運動を心がけ、減塩に努めるなどの生活改善です。 また、薬の処方がある場合には、指示通りしっかりと飲むことも大切です。一度薬を飲み始めたら、一生やめられないと思っている方もおられますが、だんだんと良くなってくれば、減らしたり、やめたりすることも可能と考えます。

一度降圧薬を内服し始めたら飲み続けなくてはいけないと考えるのではなく、薬がやめられるよう、生活改善に努めることが重要と思われます。


脂質異常症

脂質異常症(高脂血症)というのは、血液中の脂質、具体的にはコレステロールや中性脂肪(トリグリセライドなど)が、多過ぎる病気のことです。

脂質異常症を放置すると、増えた脂質が血管の内側に溜まって動脈硬化になってしまい、そのまま進行すると、ついには心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクとなります。 治療は、生活習慣の改善と薬物療法が基本です。

生活習慣の改善は、血中脂質を下げるだけでなく、動脈硬化が進むのを防ぐのが目的です。ですから、動脈硬化を促進するほかの要素――高血圧、糖尿病、肥満なども改善できるように、生活を改めます。 その主な内容は、禁煙、食生活の改善、適正体重の維持、適度な運動です。 なかでも特に重要なのが食事(食事療法)で、これは適正体重の維持とも深く関わってきます。


痛風

痛風では、その発症前に血中尿酸値の高い状態が長く続きます(高尿酸血症)。それを放置すると、尿酸が関節の中で固まって結晶になるために関節炎を起こし、ある日突然、足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛み出します。

痛みは耐えがたいほどで、「痛風」という病名には「風に吹かれただけでも痛い」という意味合いが込められています。 痛風を起こす人は、そうでない人よりも心筋梗塞や脳梗塞になりやすいことも知られています。

これは、痛風に糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が合併しやすく、動脈硬化がどんどん進むためです。 この病気の研究は進み、良い薬も開発されたため、正しい治療を受け、生活改善をすれば、まったく健康的な生活が送れます。

メタボリックシンドロームにも注意

肥満、特に内臓まわりに脂肪が溜まって、お腹がぽっこり出ている「内臓脂肪型肥満」の方は、血圧、血糖、脂質値などの異常を来たしやすく、その結果、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病が重なりやすいことがわかっています。

内臓脂肪型肥満(へその高さの腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上)があり、高血圧、高血糖、脂質異常症のうちの2つ以上が重なっている状態を「メタボリックシンドローム」と言います。

メタボリックシンドロームの改善には、まずは肥満の解消、特に内臓脂肪を減少させることが重要です(内臓脂肪はつきやすい反面、落ちやすい特徴があります)。

そのためには、食事療法と運動療法の二本柱が必要になってきます。 具体的には、栄養バランスが良く、エネルギー(カロリー)量も適切な食事を3食きちんと摂り、夜遅くの飲食は控える、アルコールはほろ酔い程度に抑える、ウォーキングなどの軽めの有酸素運動を習慣づける(1日30分以上、週に3回以上)、などを心がけましょう。